ボリンジャーバンド(標準偏差の68-95ルール)
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インジケータは内蔵されてるBB、BB%B、BBW です。
ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンド(BollingerBand)は、価格変動のばらつきの範囲をあらわす。(標準偏差の仕組みを使っている)
おもな使用目的は、以下の通り。
①現在価格が価格変動のばらつきのどのあたりにいるか?(±2σを超えたか?)
②価格変動のばらつきは大きいか、小さいか?(エクスパンション or スクイーズ)
また、ボリンジャーバンドを補助するインジケータとして「%B」と「BandWidth」がある。それぞれ
「%B」は、①現在価格がどのあたりにいるか?に注目しており、
「BandWidth」は②価格変動のばらつきは大きいか?に注目している。
※慣れてくれば、ボリンジャーバンドだけも判断可能。
ボリンジャーバンドのパラメータ
ボリンジャーバンドに設定するパラメータは「期間」と「Zスコア」
「期間」は、単純移動平均線SMA(=ボリンジャーの中心バンド)の期間、
「Zスコア」は、上方バンドと下方バンドに設定するばらつき具合になる。
※おもに、中心バンドにSMA20、上方(下方)バンドに±2σを使うことが多い。
ボリンジャーバンドの計算例
「期間」に5、「Zスコア」に2を設定する場合
(=中心バンドが5SMA、上方下方バンドが±2σ)
期間 | 4日前 | 3日前 | 2日前 | 1日前 | 現在 |
---|---|---|---|---|---|
終値 | 100円 | 101円 | 102円 | 103円 | 99円 |
移動平均 | 101円 | ||||
標準偏差(+1σ) | 1.58円 | ||||
+2σ | 3.16円 (1.58*2) | ||||
-2σ | -3.16円 | ||||
上方バンド+2σ | 104.16円 (101+3.16) | ||||
下方バンド-2σ | 97.84円 |
ボリンジャーバンドの中心バンドは101円(=5SMA)
上方バンドは104.16円、下方バンドは97.84円
(標準偏差は不偏分散を使用)
標準偏差、Zスコア、±2σってなに?
簡単に説明すると
Zスコアは、ばらつきの単位。±1σや±2σのこと
標準偏差はZスコア+1σの値です。
標準偏差の何が便利か?
標準偏差と平均が分かれば、そのデータが全体のどのあたりに位置するかを大体把握できます。その理由は、標準偏差には68-95ルールというのがあり、平均±1σの範囲に約68%の確率で、平均±2σの範囲に95%の確率でデータが収まる。というのがもう既に分かっているからです。
※ただしデータが正規分布しているのが前提
例)全国の身長の平均が170cmで標準偏差が6cmの場合、A君の身長182cmは全体から見てどのあたりに位置するか?
身長182cmは平均170cmよりも12cm高い
⇒標準偏差(1σ)6cmだから、標準偏差2つ分高い
⇒全体の分布の平均から+2シグマの位置にいる
⇒A君の身長は全体の分布から見て上位2.5%の位置にいる(68-95ルールにより)
そしてボリンジャーバンドで68-95ルールを考えてみると、現在価格が上方(下方)バンドをこえたときに逆張りすれば、95%の確率で、バンド内に戻ってくることになります。(有名なボリンジャーバンドの2シグマ逆張り)
ただし、結論から言うとこれは上手くいきません。なぜならFXの価格は正規分布していないからです。(分布のすその部分がもっと広い)2シグマ越えでうっかり逆張りすると、3シグマ以上の価格をつけ大損失を被る可能性が十分にあるので注意してください。
標準偏差や正規分布についてもっと詳しく知りたい方は、以前動画でまとめたものがありますので、こちらを参照ください。
ボリンジャーバンドのパラメータは何を使えばいいか?
「期間」の設定はSMA20。「Zスコア」の設定は2 or 3でいいと思います。
細かい部分で、中心線をEMAにするとか、標準偏差を普通の分散からでなく、不偏分散をつかうとかありますが、それほど違いはありません。
ボリンジャーバンドまとめ
「2シグマ逆張り」はリスクが大きいので、他条件を追加するなど十分に注意したほうがいいでしょう。また、それならば開発者のボリンジャーが言っている通り、「バンドウォーク」(2シグマを超えたときの順張り)の方がまだいいかもしれません。
個人的には、レンジからトレンドへの切り替わり「スクイーズとエクスパンション」を判断するのに使うのが適切な気がします。